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【書評】孤独の価値(森博嗣著)

読んだ本の書評
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今回は、ここ数年で読んだ中で一番好きな本の書評を書いておきたいと思います。

紹介するのは、森博嗣さんの「孤独の価値」という本。

この本は、いまの僕の価値観のベースになっている一冊です。

「孤独」の本当の意味と価値を考えるきっかけになるので、ぜひ多くの方に読んでもらいたい本。

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この本の概要

作家業をほぼ引退し、遠くの地で家族以外とはほとんど顔を合わせず「孤独」な生活をしている著者が、一般的にネガティブに捉えられがちな「孤独」という言葉について自身の思考内容を書いた本。

実は、僕は森博嗣さんの小説はあんまりハマらなかったのですが、新書やエッセイはよく読んでいます。

理路整然としていて読み味がとてもさっぱりとしていて、でも確かな熱量が伝わってくるところが大好きです。

実際に読んでみて感じたポイント3つ

この本をきっかけに、僕が考えたことを3つ挙げておきます。

これは僕の「書評」であって必ずしも「要約」というわけではないので、趣旨が気になる方はぜひ本書を手にとってみて下さい。

ポイント1:創作において「孤独」は大きな武器になる

まず著者は、本の冒頭部分で「孤独というものは、それほど酷い状況ではない。それどころか孤独にはなかなか捨てがたい価値がある」と述べています。

特に創作に関して「孤独」は欠かすことのできない要素である旨が述べられていて、これについては僕も完全に同意。

なぜなら、孤独により生産されるモノには、ひとりの人間の意思が濃く反映されるから。

純度が高いから、狭い範囲の人間に刺さるものになる。そして、狭いターゲットを狙って作り込んだモノこそが、結果的に大衆に評価されるケースは少なくない。

逆に、はじめからマス層を狙って最小公倍数的な創作物をつくっても、おもしろいものはできない。なぜなら、それはまったくエッジが立っておらず、誰の心にも刺さらないから。

僕は、孤独と賑やかさによるモノづくりには、それぞれに良さがあると思っています。

  • みんなでわいわいと作る文化祭的なノリでは、成果物は凡庸であることが多い。それでも「みんなでやった」という過程に価値を見出すことができる
  • 一方で、孤独に創作に没頭すると、ピュアな成果物ができる。そして、その過程も実はとてもエキサイティングである(ただ、その熱狂は本人だけが感じられるもので、外から見ている分にはわからない)

よく「集団」と「個人」は対立構造で語られるけど、僕はどちらがいいとか悪いということはないと思っています。そんなの、ケースバイケースで使い分ければ良い。

ただ、孤独に身を寄せない限りは、本当に自分のメッセージを込めたモノを創作することは難しい、ということは覚えておいてもいいと思います。

ポイント2:「孤独」と「自由」は同じもの。別の呼び方をしているに過ぎない

僕が考えるふたつめのポイントは、「孤独」と「自由」は実は同じものなのではないか、ということ。

たとえば1つ目のポイントで書いた通り、孤独にものごとに没頭する経験には、何事にも代えられない喜びがあります。

創作において「誰にも邪魔されず、自分の思うがままの理想を実現するために試行錯誤する過程」は、まさに「自由そのもの」と言ってもいい。

孤独ならば、ひとりでやっているんだから、失敗しても誰にも迷惑はかからない。

たとえ技術的な力量不足で失敗に終わっても、満ち足りた気分になれる。その「不格好な残念感」すらかけがえのない価値があり、どこかでお金を出して買えるものではない。

自分の技術を伸ばしながら「またどこかでもう一回チャレンジしてみればいいか」と思える気楽さ、気持ちよさは、孤独でしか味わえない。

僕はこの気持ちを想像しただけでうっとりするし、ワクワクしてくる。

「孤独」と「自由」は実は同一のもので、別の呼び方をしているだけに過ぎない。

ポイント3:「賑やか」と「孤独」に優劣はない。好きな生き方をすればいい

やれ結婚しろ、家を買え、家族をつくれ……。

テレビや雑誌は、賑やかで楽しいことを「良いこと」で、孤独でいることを「良くないこと」と刷り込んでくるように思います。

だけど、「孤独が良くない」ということは、果たして本当だろうか。

僕は、別に賑やかなのが好きならそうしていればいいし、孤独が好きならそうすればいいと思っています。

全ては選べる。それは他人が介入するべき問題ではない。

大事なのは、この選択権を、ちゃんと自分の判断基準で行使すること。どこかの誰かがつくりあげた基準に合わせていると、どこかで絶対に苦しくなる。

そして、もう一つ言うなら、その選択の際に「孤独は良くないこと」とジャッジする必要も、絶対にないということ。

孤独を「良くないこと」と思い込むがあまり、孤独であるひとを憐れんだり、いじめたりすることはおかしなこと。

自分と違う考えの人間を排除しなければ生きていけないほど、この世界は狭くはない。

そしてなにより、「孤独」である自分自身を卑下する必要もどこにもない。

この本をおすすめできるひと

この本をおすすめできるひとはこんな感じ。

  • なんとなく「孤独」にネガティブイメージを持っているひと
  • 常にみんなの輪に加わっていないと不安だが、それに対し疲れや違和感を感じているひと
  • 自分の生活に孤独を感じていて、気分が落ち込んでしまうひと
  • 他人にどう思われるかが怖くて、集団から外れた行動ができないひと

まとめ:「孤独」に拒否反応を持つことはもったいない

180711 the value of isolation 01

いろいろ書きましたが、僕自身は「孤独を愛そうが賑やかさを愛そうが、それは個人が決めることだし、なんなら中庸でも良いし、それぞれを行き来してもよい」という考えです。

ひとつ言えるのは「孤独」とは本来とても魅力的なものだということ。

それに拒否反応を持ってしまうことは、とてももったいない。

僕の中でトップ3に入る大好きな本なので、気になる方はぜひ手にとってみて下さい。

お知らせ。

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